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ファイル:MountRedoubtEruption.jpg

噴火(ふんか、: eruption)とは火山からマグマなどが噴き出すことである。火山活動の一つでマグマの性質によって規模や様式にさまざまなものがある。気象庁では、火口から固形物が水平あるいは垂直距離でおよそ100~300mの範囲を越したものを「噴火」として記録することになっている。

噴出物の成分による影響 編集

火山の噴火様式は、マグマの流動性や噴火時の揮発性成分の量によって大きく変化する。揮発性成分の量はマグマの爆発性を左右し、揮発性成分が多いほど火山灰溶岩を高く吹き上げる大きな爆発となる。

  1. 流動性が高くマグマから揮発性成分が逃げてしまうため噴火時の揮発性成分が少ない場合:ハワイ島の火山の噴火のように静かに溶岩流が流れ続ける(ハワイ式噴火)。
  2. 流動性がやや高くマグマから揮発性成分が逃げにくいため噴火時の揮発性成分が比較的多い場合:1986年三原山伊豆大島)噴火の初期のように、溶岩がカーテンのように高く幅広く噴出する(ストロンボリ式噴火)。
  3. 流動性が低くまた何らかの理由で噴火時の揮発性成分が少ない場合:昭和新山の噴火のように、大きな爆発や溶岩流出はなく溶岩ドーム(溶岩円頂丘)が形成される。
  4. 流動性が低くマグマから揮発性成分が逃げられないため噴火時の揮発性成分が多い場合:浅間山桜島のような爆発的な噴火になる(プリニー式噴火)。

なお1回の噴火は、短時間で終わる場合もあれば数か月以上続く場合もある。長期間の噴火では、時間の経過と共に噴火様式が変わることがある。たとえば始めのうちは揮発性成分が多く溶岩や火山灰を高く吹き上げていても、途中から揮発性成分が減り火山灰を吹き上げることができなくなる。噴火の後半には揮発性成分が抜けてしまい溶岩を流出させて終わる。浅間山の天明の大噴火の例を示す。

大量の火山灰を空高く噴出(天明降下軽石)→地上を火砕流が襲う(吾妻火砕流・鎌原火砕流)→溶岩を流出(鬼押し出し溶岩)

噴出物の量による影響 編集

成分の影響以外に噴出物の量や噴出速度などによって、噴火様式や被害の大きさが激しく異なる。極端な例を2例挙げる。

ラカギガル割れ目噴火 編集

2の条件で1回の噴出量が桁違いに大きい場合、噴出されたガスが地球を覆い異常気象による不作などを引き起こす。

1783年アイスランドラキ火山の噴火(ラカギガル割れ目噴火)の場合、火口列の長さは25kmに及び、多量の溶岩を噴出したが人里から離れていたので溶岩による被害は軽微であった。しかし有毒な火山ガスが大量に放出されアイスランドの家畜の50%、人口の20%が失われた。また成層圏まで上昇した火山ガス起源の(硫酸ミスト等)が北半球を覆い、地上に達する日射量が減少して世界的に気温が低下した。なお、この噴火がのちのフランス革命を引き起こすきっかけになったと言われている。

日本では同年に発生した浅間山の大噴火(天明の大噴火)の影響と重なり、東北地方で膨大な数の餓死者を出した天明の大飢饉を引き起こした。

阿蘇カルデラや姶良カルデラの噴火 編集

4の条件で1回の噴出量が桁違いに大きい場合、長径数km~十数kmのカルデラを形成するような非常に大規模な噴火となる。日本列島においては阿蘇カルデラ姶良カルデラ(桜島以北の錦江湾全体)が代表的な事例として知られている。

大型カルデラを形成するような噴火では1回の噴火で火砕流によって厚さ数m~100m以上・半径数十km以上に渡って軽石が堆積し、同時に噴出した広域テフラが日本列島の半分以上を覆うことが多い。このような噴火を起こすカルデラは阿蘇カルデラ以南の九州地方と東北・北海道地域によく見られる。

火山の噴火様式 編集

ファイル:Volcano q.jpg

噴火は様々な条件下で種々の様式をとる。火山学者はこれを代表的なタイプに分類し、命名している。

洪水玄武岩
洪水玄武岩は数千万年に1回程度発生する。地表が大規模に割れ、大量の溶岩が短期間に地表に供給される。例えばインドデカン高原玄武岩面積は日本全土の約1.5倍に相当する。発生原因について、最近プルームテクトニクスで議論されている。
ハワイ式噴火
キラウエア山マウナ・ケア山などハワイ島の火山でよくみられる噴火様式。流動性が高く揮発性成分が少ないマグマが起こす噴火。爆発は起こらず、大量の溶岩が高速で流出する。
ストロンボリ式噴火
イタリアストロンボリ火山でよくみられる噴火様式。ハワイ式より少し流動性の低いマグマが間歇的に小爆発を繰り返し、スコリア火山弾を放出する。液体状の溶岩流も見られる。
ブルカノ式噴火
ストロンボリ火山に近いブルカノ火山でよくみられる噴火様式。粘性が高い安山岩質マグマの場合に多く、近年における桜島や浅間山の噴火に相当。爆発に伴って火山灰、火山礫火山岩塊を大量に噴出する。溶岩流は、半ば固化した塊状溶岩(ブロックラバー)となって流動速度は遅い。ブルカノという名称は、英語の「Volcano(火山)」の語源となった。ちなみに、日本の火山はこの噴火が最も多い。
プリニー式噴火
ローマ時代ポンペイを埋めたことで有名な西暦79年ヴェスヴィオ火山噴火の様式。この噴火を詳細に観察し後世に記録を残したプリニウスにちなんでプリニー式と命名された。基本的にはストロンボリ式の大規模なものである。火山灰や軽石などから構成される噴煙柱は成層圏に達する。この噴煙柱が崩壊すると、大規模な火砕流が発生し広範囲に被害を及ぼす。
スルツェイ式噴火(ウルトラブルカノ式噴火)
高温マグマが直接関与しない大規模な水蒸気爆発1888年小磐梯山における山体崩壊の原因のひとつと考えられている。従来はウルトラブルカノ式噴火と呼ばれていたが、スルツェイ島の噴火が典型的なウルトラブルカノ式噴火だったため、こう呼ばれるようになった。

噴火の場所 編集

火山は噴出する場所、特に水の存在によって噴火の様式が大きく変わる。

  1. 海底深くで火山が噴火した場合、高い水圧で爆発は起こらず噴出した溶岩は水で急冷され枕状溶岩あるいはハイアロクラスタイトとなる。
  2. 水面近くの噴火やマグマが地下の浅い所で地下水と出あった時は、水が瞬時に沸騰し体積膨張を起こすため爆発的なマグマ水蒸気爆発が起きる。
  3. 巨大な氷河の下で火山が噴火した場合は1と同様な形態となるが噴火の規模が大きく氷床を解かしてしまった場合、氷河の下に巨大な湖ができ氷河の壁は大量の水の重さを支えきれずに決壊し家や橋まで流してしまう大規模な洪水が発生する。この大洪水を氷河湖決壊洪水アイスランド語でJökulhlaup ヨークルフロイプ)と呼ぶ。

火山噴火の歴史 編集

この節は執筆の途中です この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています
火砕流ラハールも参照。


日本編集

噴出量70~80km3

噴出量30~36km3

噴出量18.6km3、この噴火で形成されたカルデラが摩周湖となる。  

噴出量170km3(過去1万年間に地球上で発生した噴火としては最大規模)、広域テフラ鬼界アカホヤ火山灰』を放出。

噴出量9.2km3十和田湖の中湖を形成。

噴出量5.0km3、この噴火で形成されたカルデラが池田湖となる。


(以下、西暦紀元後に発生した噴出量が1.0km3以上の非常に大規模な噴火及び記録的な噴火)


噴出量1.6km3、黒岳を形成。

噴出量1.7km3

噴出量1.04km3

噴出量0.7km3以上、青木ヶ原溶岩を流出させる。現在の精進湖西湖青木ヶ原樹海を形成。

噴出量1.23km3、房総半島にも被害。

噴出量6.5km3(日本の歴史時代における最大の噴火)、火砕流が周囲20kmを焼き払い、火山灰が東北地方一帯を覆う。

噴出量4.7km3

噴出量1.41km3、上野国に大きな被害が出る。

噴出量0.1km3、霧島山で記録に残る最大の噴火。寺社焼失、数十センチの降灰。

噴出量0.36km3、山頂部溶岩ドームを形成。

噴出量0.077km3、死者180余名。

噴出量1.2km3、溶岩流出、死者多数。

噴出量0.01km3、噴石により死者多数。

噴出量2.9km3、山体崩壊に伴う岩屑なだれが内浦湾に流入し、大津波が発生。死者700余名。

噴出量2.78km3、噴煙柱が津軽藩領内からも観察され、爆発に伴う空振が庄内平野でも感じられる。死者5名。

噴出量4.0km3、火山灰が現在の苫小牧市で1~2m、十勝地方で数センチ降り積もる。

噴出量0.18km3、多量の溶岩流出。

噴出量0.7km3宝永地震の49日後に噴火、宝永山を形成。江戸にも数センチの降灰。

噴出量0.18km3、民家、山林、耕地に大被害。死者5名。

噴出量1.0km3、爆発に伴う空振が津軽地方でも感じられる。火山灰が現在の新千歳空港付近で1m、大雪山付近で数センチ降り積もる。

噴出量2.1km3、多量の溶岩を流出し、翌年には海底噴火も発生。長崎江戸でも降灰があり、死者153名。

噴出量0.11km3、山体崩壊に伴う岩屑なだれが大津波を生じさせ、北海道津軽地方で死者1467名。

噴出量0.11km3、火砕流で山麓の民家焼失。

噴出量0.3km3、多量の溶岩を流出、民家、耕地に大きな被害。

噴出量0.015km3、島内の全家屋が焼失、死者7名。

噴出量0.45km3、火砕流や鬼押出し溶岩の流出に加え、大規模な山体崩壊も発生。死者1151名。

噴出量0.018km3、全島民が島外へ避難し、無人島に。死者130~140名。

噴出量0.01km3眉山の山体崩壊に伴う岩屑なだれが有明海に流入し、大津波が発生。死者約15000人(『島原大変肥後迷惑』)。

噴出量0.0035km3、噴石で死者8名。

噴出量不明、溶岩流が海に達し、全島民が島外へ避難。

噴出量0.28km3、火砕流で山麓の集落が全滅。死者50名以上。

噴出量0.3km3、降下軽石と火砕流で死者21~29名。

噴出量0.001km3、山体崩壊に伴う岩屑なだれが山麓の集落を埋没させる。死者461名。


(以下、1900年以降に発生した噴出量が0.1km3以上の大規模な噴火及び記録的な噴火)


噴出量不明、噴石で死者2名。

噴出量0.003km3、硫黄採掘を行っていた沼尻鉱山が火砕サージに襲われ、死者72名。

噴出量不明、島民全員死亡、死者125名。

噴出量0.003km3、溶岩ドーム(明治新山)を形成。泥流で死者1名。

噴出量不明、噴石、降灰、死者1名。

噴出量0.033km3、溶岩流出。

噴出量2.1km3、多量の溶岩を流出し、大隅半島と陸続きになる。九州から東北にかけての広い範囲で降灰があり、死者58名。

噴出量0.001km3、噴火に伴って発生した泥流が梓川を堰き止め、大正池を形成。

噴出量不明、噴煙で死者1名。

噴出量1.0km3?、海面に多量の軽石が浮遊し、日本各地に流れ着く。

噴出量0.000013km3、融雪によって発生した泥流で死者・行方不明者144名。

噴出量0.5km3、山林耕地に大被害、死者2名。

噴出量不明、降灰、死者6名。

噴出量0.000016km3、山上施設が破壊され、死者2名。

噴出量1.0km3、死者2名。

噴出量不明、島内の集落が全焼し、死者8名。

噴出量0.37km3、近海の海底噴火から始まって新島(昭和硫黄島)を形成。

噴出量0.019km3、溶岩流出、死者11名。

噴出量不明、この時期毎月十数~数十回噴火を繰り返し、死者1名。

噴出量0.11km3、溶岩ドーム(昭和新山)を形成。降灰による窒息で死者1名。

噴出量0.083km3、多量の溶岩を流出し 死者1名。

噴出量0.0001km3、噴石、降灰、死者9名。

噴出量0.0001km3、噴石、降灰、死者1名。

噴出量0.027km3、溶岩流出。

噴出量不明、明神礁より海底噴火、一時新島を形成するも消滅。調査に当たっていた海上保安庁水路部観測船『第5海洋丸』が噴火に巻き込まれて遭難、死者31名。

噴出量不明、降灰、噴石で死者1名。

噴出量0.0001km3、爆発に巻き込まれて死者1名。

噴出量不明、噴石で休憩所や土木事務所が倒壊、死者12名。

噴出量不明、山林、耕地に大きな被害。

噴出量0.00007km3、噴石、降灰、行方不明者1名。

噴出量0.071km3、降灰は知床半島千島列島に達する。噴石で死者・行方不明者5名。

噴出量0.009km3、溶岩流出、民家焼失。

噴出量0.017km3、近海の海底噴火から始まって新島を形成し、やがて新島は本島と結合。

噴出量0.2km3根室市に降灰。

噴出量0.0007km3、噴石で死者3名。

噴出量0.000016km3、滞留火山ガスで死者3名。

噴出量0.1km3、降灰で民家、耕地に被害。泥流で死者・行方不明者3名。

噴出量不明、噴石で死者3名。

噴出量0.55km3

噴出量0.021km3、溶岩流出、民家多数が焼失・埋没。

噴出量0.12km3

噴出量0.039km3、溶岩流出、一時全島民が島外へ避難。

噴出量0.0001km3静岡県伊東市沖の手石海丘で海底噴火。

噴出量0.25km3、溶岩ドームの崩壊による火砕流が繰り返し発生し、死者・行方不明者43名。平成新山形成。

噴出量0.0009km3、噴火を事前に予知し、住民を避難させることに成功。

噴出量0.016km3、山頂部に陥没カルデラを形成、多量の火山ガスを放出。全島民が島外へ避難。

噴出量0.4km3、付近の航空路が閉鎖される。

海外 編集

噴出量140~180km3

噴出量150km3

噴出量60~99km3アトランティスの伝説に影響を与えたとの説がある。

噴出量60~80km3

噴出量4.0km3プリニー式噴火が発生。降下軽石と火砕流によってポンペイヘルクラネウムが埋没。

噴出量120km3、『ハテペ噴火』。

噴出量71km3

噴出量不明、世界各地に異常気象による混乱発生。『535年の大噴火』。ジャワ島の歴史書では噴火を416年としている。

噴出量83~117km3、日本の北海道と東北地方に多量の降灰『白頭山苫小牧テフラ(B-Tm)』。

噴出量不明、氷床コアの分析、異常気象の記録などから噴火の存在を推定。

噴出量36~96km3、巨大な海底噴火によって世界各地で異常気象と飢饉が発生。

噴出量14km3

噴出量1.0km3、泥流で死者約10000人。

噴出量30km3、世界中で気温が低下し、飢饉が発生した。

噴出量1.1km3、死者3000人(6000人?)。

噴出量0.05~1.05km3、死者1000人。

噴出量30km3

噴出量0.25km3、死者10000人。

噴出量不明、火砕流などで死者3000人。

参考文献 編集

脚注 編集

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関連項目 編集

ウィキメディア・コモンズ

外部リンク 編集

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