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大気の鉛直構造 (高度)
熱圏
(80km-800km)
中間圏
(50km-80km)
成層圏
(11km-50km)
対流圏
(0km-11km)

対流圏 (たいりゅうけん、: troposphere) は地球大気の層の一つ。大気の鉛直構造において一番下 (高度0kmから約11km)、地表と成層圏の間に位置する。成層圏との境界は対流圏界面と呼ばれる。地球大気の質量の約80%がこの層に存在している。'tropos' はギリシャ語で「混ざる、混合する」といった意味をもち、対流圏の基本的な構造がまさにそれである。

対流圏と温度編集

対流圏の一つの特徴は、鉛直方向の気温減率 (気温が減少する割合) が大きいことである。すなわち高度とともに気温が著しく減少するのである。平均的な気温減率は100mにつき約0.65℃であることが知られている。

暖められた空気塊が上昇して、周囲の圧力が低下して、断熱膨張することによって気温は大きく低下する(ボイル-シャルルの法則)。

ただし、対流圏の大気には大量に水蒸気が含まれ、断熱膨張の温度低下を和らげる効果がある。暖められた水蒸気を含む空気が対流圏上部に上昇すると、上述の膨張による温度低下によって水蒸気が飽和し、凝結して雲ができ潜熱が放出される。

対流圏内の区分編集

対流圏内の区分
自由大気
(1km-11km)
エクマン境界層
(100m-1km)
接地層
(0m-100m)

対流圏下部では大気が地表と摩擦を起こすが、対流圏上部ではその摩擦がない。このことから対流圏下部と対流圏上部の気象現象では特徴がやや異なる。この違いを基に対流圏を次の三つの層に分けることができる。海抜0mから100mまでの接地層、海抜100mから1kmのエクマン境界層、1kmから対流圏の一番上層11kmまでの自由大気である。接地層では地面との摩擦の影響が大きいために、大気の運動、乱流が不規則で活発である。エクマン境界層ではコリオリの力気圧傾度力、地面との摩擦力、この三つの力がつりあって大気が運動している。自由大気では名の通り、地面との摩擦の影響はなく、大気が自由に運動している状態である。

自由大気の上層部すなわち、対流圏上部ではジェット気流が流れており、高度約11km付近で風速が最大となっている。例えば日本上空を流れる偏西風の場合でも高度11km付近が風速最大である。このようなジェット気流が対流圏における水平方向の大気運動のなかで最大なものの一つといえるが、鉛直方向にも大規模な大気の運動がある。例えば熱帯で温められた空気が上昇し、亜熱帯高圧帯で下降するハドレー循環などの大気の大循環がそのいい例である。このように対流圏では水平方向にも鉛直方向にも大気が絶えず運動している大気活動の盛んな層である。

また、対流圏とその上の成層圏の境目、高度約11km付近を対流圏界面という。ただしこの面の高さは季節緯度によって変化する。一般に高度が赤道付近で17km、付近で9kmであることが知られており、これらを平均して圏界面の高さを11kmとしている。長距離旅客機はこの境界面を飛行する。

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